朝、陽の光を浴びて

あなたの朝に、彩りを添えるような。そんなお手紙を書くように。

あることりが世界に羽ばたくまで

遠い海の向こうのこと 教科書で教わったこと

ぼくら このままでいいのかな

 

かごのなか閉じこもっていても

なにも世界のことわからないよ

けれどたとえばここを 飛びだし

たからもの 探しにゆけたなら…

 

かごから飛びだせぬことり

ここでぼくだけ幸せに 過ごしていていいのかな

この背の翼は動かない

それでは世界は変わらない

 

星の降る砂浜の上 流した涙は

やがて世界へのみちしるべとなるだろう

 

地図を指でなぞってみても 地球儀回してみても

なにもわからない 変わらない

 

地図のなか飛びこんでみても

なにも変えられない わかってるよ

けれどたとえばそこに

涙も枯れ果てた あなたが居るのなら…

 

かごから飛びだしたことり

ここで涙を流しても なにも変わらないんだと

飛びたつ翼があるのなら

見えない世界を見にゆこう

 

ひび割れた地面の上で 流した涙は

いつか小さなふたばを芽吹かせるだろう

 

ねえ どうして どうして

きみが泣かなくてはいけないの?

どうして どうして

あなたが苦しまなくてはいけないの?

こんなにかわいい笑顔のきみが

こんなにやさしい瞳のあなたが

どうして どうして どうして…

 

世界を飛びまわることり

笑顔も涙も失くした たくさんの人と出会う

もうだめ 翼が折れそうだ

力尽き 落ちそうになったが

 

“ありがとう”と そう言われて 流した涙が

ずっと やさしい花を咲かせ続けるように

 

 

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高校の時に書いた詩を整えてみました、その2です。